駒の行動式

各EPで登場人物がとる行動には、いちいち理由があります。その式に則って行動を起こすのです。その行動式はゲームマスターによって決められるので、本人の性格や行動式と違うこともありますし、マスターの違いによって行動式が違う場合もあります。あくまでマスターが、その人物をそうだと認識していることを反映させているだけなのです。

 

 

戦人→ 一番の特徴は無能でしょうか。本来の性格とはかけ離れていて、十八として幾子と過ごしている間にも博識なところをみせているので、明らかに意図的に無能キャラに設定したようです。その真意は、紗音との仲の良かったあの頃のことを思い出してもらうためです。その頃戦人は博識でした。何も覚えていない無能な戦人が、解くのに難解な碑文を解くことで、博識になったことの証明になります。つまり「博識のころの自分を取り戻す=昔のことを思い出す」ことにつながるはずだと考えたのです。

EP5以降はマスターが紗音ではないので、本来の博識の戦人の性格で登場します。

 

紗音→ 夜の会食までに、魔女の手紙を誰かに渡して犯行予告。ただし誰も(途中では)殺すつもりなどなく、演技に協力させるだけです。その真意は、彼女なりのフェアプレイ精神といいますか、メッセージをより明確に伝えるためです。戦人に碑文を解いてもらいたいという目的のために始めたゲームなわけですが、誰も碑文が解けずに5日の24時を迎えたなら、爆弾が作動し、全員巻き添えを食って死ぬことになります(爆弾を使うのは、彼女が魔法の奇跡を信じているからです)。そのことを、碑文になぞらえた連続殺人を演出することで伝えようとしたのです。

仮に連続殺人を演出しなかったとしたら、「魔女からの手紙?下らん。親父殿の遊びだろう」「まあ、片手間にでも碑文に挑戦してみるか」「やっぱりこんなの解けるわけないわね」「じゃあおやすみ、また明日」→爆死

という流れになりかねません。誰も碑文を解けないのなら皆死ぬ、ということをよりリアルに伝えるために、連続殺人を演出する必要があったと考えられます。

また夏妃に対して憎しみの感情を持っており、夏妃が殺人を犯した時に限り、憎悪の感情が高まって夏妃を殺害します。EP1で夏妃はそのプライドの高さから殺人を犯すのですが、紗音はそれを受け、また19年前のことを繰り返すのかと、反省していないのかと、後悔していないのかという思いが強くなり、紗音の中で許せなくなったのでしょう(EP8でベアトは夏妃に、後悔の気持ちを忘れない限り妾は許す、と発言しています。裏を返せば、忘れたら許さないということです)。

 

夏妃→ 金に対する優先順位が低い人物です。そしてプライドが非常に高く、そのプライドが限界まで傷つけられた時に殺人を犯します。そのルーツは、19年前に同じ理由から紗音を殺そうとしたことがもとになっています。

EP1では、自身のプライドを傷つける、実に多くの出来事が夏妃を襲います。そしてトドメを蔵臼に刺されるのです。その瞬間、殺人劇の幕が上がりました。 

 

楼座→ 癇癪持ちで、お金に対する執着が高い人物。そのルーツは、真里亜から「ママは私より仕事の方が大事なんだ」という愚痴などがもとになっているのでしょう。また、夏妃と違い、自身の罪を他人のせいにする思考回路の持ち主で、自分のせいではないという思考にたどりつくのに長けています。基本は自分さえよければいいという思考です。そのため、自分を脅かす出来事には過剰に反応し、癇癪を起すのです。  

EP2で、兄弟たちに対する根の深い恨みが明かされます。それが金銭的損失という自身の生活をも脅かす事実と重なった時、癇癪と怨恨が相乗効果で増幅され、衝動殺人を犯してしまうのでしょう。

 また、碑文を解く可能性のある人物。あと、悲惨な結末や酷い死にざまなどは、紗音の気持ちが反映された結果だと思われます。おそらく紗音は楼座が嫌いなのです。同族嫌悪ってやつですかね(夏妃は憎い、楼座は嫌い)。

 

絵羽→ 戦闘力や生命力が高く頭がいい人物。碑文を解く可能性のある人物(言葉遊びという謎解きの方向性を理解した後ならば。それまでは固い頭が邪魔をするので解けません)。また、意図的かどうかわからない発砲をする人物。事件当時の最初の発砲が意図的だったならば、黄金の一人占めのためにも殺人ができる性格だと紗音は考えました。爆弾、キャッシュカード、自身の殺人、の三つがそろうと、皆殺しを決意する性格(当時は爆発でなかったことにするだけという行動式でしたが、霧江が「あなただって、ちょっと考えたら皆殺しを選択したでしょう」という発言から、紗音はそういう性格だと決めたのでしょう)。そのために黄金を見捨てることも厭わない。爆弾とキャッシュカードの存在だけだと、黄金や家督の方に欲が向くため、皆殺しの行動には移りません。

 

霧江→ その思考は合理的で理知的。合理性が伴うなら殺人さえも厭わない上、その判断も早い。ただしその行動原理はすべて留弗夫に向けられてのものであり、金のためなら殺人をためらわないという意味ではなく、留弗夫が金で困っていて、それを助けるためならばためらわないということです(当時に絵羽に殺されたのは、留弗夫の死を知ったとたんに生きる気力を無くしたからだと、紗音が推理したためです。ゆえにゲーム盤上でも、留弗夫が死亡した場合は、生きる気力を失うという行動式になります)。

絵羽とは違い、爆弾とキャッシュカードの存在がそろった時点で皆殺しを決意します。金蔵の死がほぼ確実ですし、蔵臼の狡猾さも加味すると、黄金は換金不能と考えられるからです。家督はもちろん興味がありません。

また碑文を解ける可能性のある人物で、その能力はEP3以降で高く評価されています。 魔女の手紙を誰が渡したかなどの真相を、真里亜から見抜くことができる、唯一の人物でもあります。

さらに、戦人に対して強い殺意を持っています。チャンスがあればいつでも殺してやろうと思っていたところに、爆弾というファクターがそろった時、戦人殺害を決意するのです。

EP7で留弗夫に戦人も救いたいと言われた時に、自分がこの後戦人を殺害する行動をとることに正当性を持たせるため、「戦人くんが納得していないと私が判断したら、私が殺すわ」と発言しました。戦人が納得しているかどうかなんて、霧江は初めから見るつもりなどなかったのです。どうあろうと、戦人を殺す気だったわけです。殺した後で、戦人くんが納得していなさそうだったから、などと言えば、留弗夫も納得せざるを得ないでしょうから。

 

 

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